心とテクノロジーの融合をキーワードに変革に奮闘する食品会社のMさん。|第43回 北田会 in 大阪

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2018年9月7日(金)第43回北田会in大阪を開催し、24名の方にご参加いただきました。

今回のゲストスピーカーは 某食品会社、人事部のMさんです。

Mさんが会社に入社するまで。

Mさんは、10社ある海外法人の人事領域の責任者であり、グループの人事戦略を担当されています。
Mさんは、元々は車好きで、大手自動車会社に入社し、販売から人事へ。その後、広報のような仕事をしたくて、再度自動車メーカーへ転職したのですが、ここでも人事に配属。
海外担当になり、中国、インド、ブラジル、ロシア、フィリピンなどなど様々な国で活躍されました。

そして、フィリピンから日本に戻ってきた時に、担当になったポジションがつまらなくて(?)前の会社に骨を埋めるつもりだったそうですが、その後現職に転職されました。

テクノロジーがビジネススキルをクリアにする時代

今、Mさんが人事として注目しているキーワードをいくつか。

例えば、セルフリーダーシップ、睡眠の質、HRテクノロジー活用、AI、行動科学・脳科学・認知科学、ライフシフト、ミレニアム世代、イノベーション。などなど、他にもありましたが。

セルフリーダーシップというのは、いわゆる自分で自分をドライブする。自分の軸というもの。なぜ働くのか? 自分は何者なのか? という人生観や仕事観などです。

ライフシフトに関して言うと、”65歳になったら何をして食べていくか?”
人事として、そういった人を追い出すのではなく、仕事の世話をしなければなりません。そんな仕事のお世話のパッケージも実施しているそうです。

面白い取組ですので色々詳しく書きたいところですが割愛させていただきます。

それからHRテクノロジー。
これに関してのお話はとても興味深かったです。
具体的取組みに関してはさすがに公開できませんのでざっくりと(笑)

人事で考えているのは、企業理念の実現ももちろんですが、「パフォーマンスの可視化」だそう。

今や、個人パフォーマンスは数値になってしまう時代なんだそうです。ビジネススキルはクリア(公)になります。まるで偏差値です(笑)
例えばどんなものがクリアーになってしまうかというと、組織力、業務の質、人材力(←個人の力)といったようなものです。

組織力というのは、組織として発揮されるであろうパワー(組み合わせで出てきます。)
どういう組み合わせがパワーを生むか、生まないかということが科学的に解明されてきているそうで、しかも試験導入したところ、なかなかのヒット率だそうです。当たってしまうんですねー。

また、複数人いる部下と毎日話して状況を把握することは実質不可能なので、健康状態をアプリを使って把握するようなことも検討しているそうです。いずれ全社的に導入も視野にいれているそうですが。

最後は”人”です。

他の項目についても事例をあげて細かく説明していだたいたのですが、興味深いというよりは、人間は丸裸にされてデータ化されているんだというのがひしひしと感じられる内容でした。(時代はそこまで来ているということですね。)個人のものすごーく細かいところまで判明するのが可能になっているんですね。

ただ、「きちんと個人の価値観を持ってほしい。」とMさんは語ります。

食品会社は、その会社にいるだけで幸せ・・・。でも何もしない。自社製品がコンビニにあったりすると、もうそれだけで満足♪というような人も、実際いらっしゃるそうです。

ベテラン事務員さんが、イレギュラーなことも含めてやるような仕事ですら、もはやレポートしておけばロボットがちゃんとやってくれる時代。ほとんどの仕事は機械化されています。
「最後に残るのは、セクハラやパワハラの話を聞くような人 ではないでしょうか?(笑)」と、おっしゃいます。 笑えません(笑)

今、社内の人材をマーケティング手法でタイプ別に振り分けると、こんな分布になるそうです。
1)会社が好きっ!どんな目にあっても会社から離れない。が、25%
2)変革のために入社してきたんだ!!が、22%
3)変革にやる気満々でもないけど会社は好きだから盛り立てよう。が、45%
4)何をしてもとにかく不満。文句ばっかり。が、5%
5)ハッっと気づくと、キャリアで入ってきたはいいけどもういらないって言われてる? が、3%

従業員には、自立してもらって、自分で物事を考えチャレンジできる人になってほしい!
そのために、テクノロジーを使ってやりたいことは、ピープルアナリティクス。
つまりデータを使って色々なことをやって、採用にも活かしていきたいと考えているそうです。

・・・とは言うものの、統計やAIを活用したデータ分析でできることにはまだ限界があり、今は意思決定のためのサポートという位置づけとなっています。

要するに、「最後は人間の判断」なんだそうです。

この、テクノロジーの活用は、読んでいてこちらもちょっと怖いなぁと思ったように、多分、従業員に細かく説明すると怖がられるので進めるのがなかなか大変だそう。
面白いことができるし、色々なことに繋がって可能性も感じているのは確か。でも、やはり「ちゃんと人を見ながら人事をやらないといけない。」ここは基本だそうです。

テクノロジーを活用し、会社のために試行錯誤する中でも、最後は”人”という言葉に、なんとなく安心してしまいました。

「今、いろいろ叩かれていますが、がんばっています。」

そんなMさん、変革へのチャレンジはまだまだこれからといった感じの、冷静な雰囲気と静かなパワーが伝わってくるようなお話でした。

ありがとうございます。

質問コーナーでもよいお話が・・・。

このあと、簡単な質問コーナーも設けましたが、その中にもいいお話が散りばめられていました。

人事制度を数値化し、全社に展開していく時の”しがらみ”についてどう感じているか?に、
「しがらみに関しては諦めている。やらなきゃしょうがないから。」

それから人事の採用時の質問について。
「人事も経験が長くなると採用担当者は決めの質問、つまりキラー質問を1つ持っているはず。」
※みなさん、このキラー質問を見極められますか?(笑)

そんなこんなで、もっと時間がほしかった位の濃い内容でしたが、読んでいただいているみなさんに全部お話できないのがとても残念です。

最後に。

テクノロジーの活用が当たり前になる時代の中に私達はいますが、不思議と、どんな方のお話を聞いても「最後は人」なのだとおっしゃいます。
いつまでも「最後は人」だと思える会社、そしてその中の個人である自分であるために、色々ととても勉強になった会でした。

おいしいお料理とパンと、そしてちょっとしたプラスαを持って帰って頂けていたら嬉しいです。

今回、会場に使わせたもらったのは、TAVERNA PORCINI さん。おいしいイタリアンをありがとうございました。

初参加の方も6名いらしゃいました。ありがとうございます。
これを機会に皆様の繋がりがどんどん広がっていただけると嬉しいです。

また次回、お会いしましょう。

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